2008年8月29日金曜日

イサバル湖―死に向かいゆく命の源

グアテマラ イサバル県 イサバル湖
2008年8月29日


グアテマラの大西洋岸からほんの数キロのところに、この国最大の淡水湖が広がっている。巨大な水域を持つイサバル湖は、縦に45キロ、幅は最大で20キロに及び、366平方キロメートルの水面積を誇る。(1)







「毎年やってくる嵐に苦しみながらも、イサバル湖は多種多様な魚、クロコダイル、爬虫類を含む豊かな生態系を育んでいる。その湖岸は鵜やサギなど様々な鳥類や数種の哺乳類の生息地・繁殖地となっており、湖水には貴重なマナティーが暮らし、珍種の淡水鮫もイサバル湖の水環境に順応し生息している」(2)













遥か彼方まで続く湖岸には、何世代にもわたりマヤ系先住民ケクチの人々のコミュニティが築かれてきた。漁業活動は先住民コミュニティが栄養源を確保する上で極めて重要であり、また文化や生活様式とも密接に結びついている。









地元漁師たちが、環境に優しい漁法を学ぶ。カメなどの傷つきやすい種を保護するためだ。

数限りない動植物、そして地元住民コミュニティの生活を支える命の水は、鉱山産業にとっても欠かせない役割を担っている。「水なしで鉱業活動を行うことはできない。地表下から塊で掘り出される岩石には、ニッケルがコバルトやマグネシウムといった他の物質と混ざり合って含まれており、これらを分離して純度の高いニッケルを取り出すには、700度に達する高温で岩石を精錬する必要がある」 イサバル湖は、冷却に必要な大量の水を提供する理想的な水資源なのだ。(3)

イサバル湖の端に位置するのが、歴史的に悪名高いエクスミバル・ニッケル鉱山―今日フェニックス・プロジェクトとして知られている―である。鉱山の運営を行うのは、カナダ系鉱山会社HudBay Minerals社の現地子会社、グアテマラ・ニッケル社(CGN)であり、同社はエル・エストールの町からほんの数キロの場所にオフィスを構えている。CGNはホームページ上で、「イサバル湖の水を使用する。使用量は現在のところ未定ではあるが、水は機材の冷却にのみに用いられ、その後再利用されるため、使用量を数値として出すことは無意味である」としている。(4)

水の使用について、エル・エストール総合開発協会(AEPDI)のメンバー、ダニエル・ヴォクトはこう説明する。「利権契約には、鉱山会社は使用した水を汚染物質がない状態にして湖に戻す義務を負う旨明記されているが、使用済みの水を湖に戻す際の水温はどの条項にも規定されていない。冷却に用いられた水のほとんどは、高温での使用によって蒸発してしまう。残留した水は過剰に高い温度のまま湖に戻される可能性があり、そうなれば、現在の生物多様性の存続が大きな危機にさらされることになるだろう」(5)

鉱業契約では、CGNは毎秒10.5m立方メートルの湖水の使用を認められている。「イサバル湖の面積は590平方キロメートル、深さは平均して30メートルである。そこから計算すると、湖水量は約17,770,092,000リットル。同契約は、たった19日半で湖を満たすことができるほどの水量をCGNが使用することを認めていることになる」(6)

「これまでの過酷な採掘作業によって、エル・エストール周辺の脆い生態系に汚染が広がっている。マヤ系先住民の大多数が住む山側で起きている侵食がその一例だ。森林伐採によって山崩れや様々な自然災害が引き起こされているのだ。マヤの人々が所有する土地は化学廃棄物であふれ、様々な毒物にさらされている。ニッケルは、細塵として吸引した場合ガンを誘発する可能性を持つ有害物質であり、また水質汚染を引き起こす重金属でもある。汚染された水を摂取した人の体内には、汚染物質が残留する」(7)

「どこの鉱山であれ、鉱業に関する問題は往々にして水源をめぐる対立を引き起こす・・・(中略)・・・テキサス大学の地質学博士ロバート・モーランによると、鉱山活動に端を発する最も深刻な問題は2つあり、その1つは水に関係するものだという。最初に起こるのが生活に不可欠な資源である水を巡る争いであり、世界の中でもコスタリカ、グアテマラ、メキシコ、ニカラグアでは現在、水にまつわる『ドラマ』が繰り広げられている。第二の問題は、鉱山活動が開始されると『水源がある時点で汚染される可能性が高い』ことにある。そして水源の浄化コストは年々高まっていくのだ」(8)


「2008年8月25日、HudBay Minerals はスカイ・リソーシーズ社との合併を完了し、イサバル県エル・エストールにてフェニックス・プロジェクトの最前線に立つこととなった・・・(中略)・・・現在のプロジェクト計画では、2009年の最初の数ヶ月でニッケルの生産を開始し、2012年までにはフル生産に入ることを予定している」(9)

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Versión en español aquí.

1 http://es.wikipedia.org/wiki/Lago_de_Izabal
2 http://www.deguate.com/geografia/article_411.shtml
3 http://www.inforpressca.com/inforpress/infor2003/1531-13.htm
4 www.cgn.com.gt
5 http://www.inforpressca.com/inforpress/infor2003/1531-13.htm
6 同上
7
http://www.oxfamamerica.org/es/noticias/noticias/guate_niquel
8 http://chapineseneuropa.com/index.php/20060112176/Salud/Agua-fuente-de-vida-y-de-conflictos.html9 www.cgn.com.gt